~しながら

演じている時は、様々なアンテナを同時に使う必要がある。セリフを言いながら歩きながら、食べながら、泣きながら、等など。この『~しながら』は、同時に全部出来ないといけない。その為に稽古があり、訓練がある。

人は、日常でも『~しながら』をいろいろやっているけれど、携帯とゲームは回りが見えなくなるらしい。駅などの往来の真ん中で突然止まる。メールを確認し、その場で返信を打ちはじめる。ゆっくりと、まるで自分の庭にいるかの様に。電車の中や往来でも、ゲームに夢中な人達がいる。その顔は皆さん真剣そのもの。時々ため息や口元に笑みが浮かぶ。まるで自分の部屋にいるかの様に。

電車の中でほとんどの人が携帯などの端末に集中している。まるで周りには誰もいないかのように。自分もその中の一人である事は重々承知しているが、やはり何か違和感を感じる。『~しながら』は、何かをしながら別の事もやる事。携帯を使いながら、他人に迷惑を掛けないように、ゲームをしながらホームから落ちないように。

 

皆さん立てるアンテナの数が少なすぎる。