技の冴え

今年は、うるう年だから今日は29日。なんと大雪です。交通は乱れるし、多分転倒して怪我する人が出るんだろうな。自分も気をつけよう。

 

昨日、中島蓮周先生の個展を拝見。蓮周は、雅号で、本名は中島康裕先生。高校の時の恩師です。個展をやると聞いて、押し掛けた。10数年振りの再会。先生も作品も進化していた。展示してある作品群のエネルギーに圧倒された。

 

書と言うか、絵と言うか、デザインと言うか、形に捕らわれない自由な発想と作品が放つエネルギーは「凄いっ!」の一言。だからと言って、肩が凝る様な難しい物ではなく。しかし、安易な薄っぺらい物でもなく。とても居心地が良い。クスリとさせられるユーモアもあり、いつまでも見ていたい。そんな作品ばかりだった。

 

書は、線の芸術。如何にして人の心を打つ線を書けるかが勝負所。先生の作品は、どうやって書いたのか不思議な線がいっぱいある。つまりあの線を出すために弛まぬ創意工夫をした結晶が、あの作品群のエネルギーなんだと思う。

 

先生の作品は、音楽で言えばジャズで、演劇で言えば即興かもしれない。多くの人が勘違いをしているのは、一流のジャズミュージシャンは普通の音楽も見事に演奏できるし、一流の俳優は、まるで台本があるかのように即興芝居を演じられるのだ。それが技。蓮周先生は、楷書も草書もかな文字も達人です。芭蕉の研究家でもある。先生の作品には、先生の人生哲学と修練に裏打ちされた技の冴えがある。そこに、僕は感動したのだと思う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

中島蓮周個展

 

2012年2月17日(月)~3月4日(日)

 

銀座清月堂画廊 1階

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

もう一度、行ってこよう!