20歳位の時、漠然と俳優をやってみたいと思い、亡き父に話した事がある。どんな芝居をやりたいんだと言う父の問いに、喜劇をやりたいと答えていた。父は、芸能界に憧れたり、有名になりたいとか言ったら反対したが、喜劇なら良いだろう。世の中は悲劇の固まりだから、しっかり喜劇を志すなら、役者も良いね。そう言って笑っていた。
イヨネスコの「禿の女歌手」を稽古していて思い出した。
天才喜劇役者の故三木のり平さんが軽演劇に飽きて、晩年やりたくて選んだ芝居も不条理劇だった。ここにヒントがある気がする。
そう、これは喜劇なんだよ。しかも上質の。
難しい訳だ。ほんの些細なタイミングのずれが出来栄えに大きく影響してしまう。特に心の中にユーモアがないと、芝居が浮いてこない。それをみんなでやらないと。
今週の土曜日に幕が開く。楽しみ、楽しみ。
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