訓練と稽古

演劇講師をやっていて、とても面白いのは、様々な表現を受講生の皆さんが見せてくれる事かな。本当に色々な人、色、声、表現があるよね。

 

訓練つまりレッスンの場では、その夫々の個性を見つめ、各人が良い所取りをすれば良いんだと思う。どれが良いか悪いかではなく、何故そうなったのか、何が大事なのか、自分はどれが好きなのか等に重点があるんだと思う。

 

答えなんか決めず意見も色々で良いのに、なまじ演劇経験があると、何か決め事をしたくなり、今までと違う表現を探す事をしなくなってしまう様だね。

 

一方稽古は、公演に向けて、どうすれば鑑賞に耐えうる作品になるかを具体的に作る作業だね。訓練で蓄えた知識や技を駆使して、どれが効果的なのかを探り、何回でもそれが出来るように稽古する。重点は、「何を、どうやれば」に置かれるわけだ。

 

この二つの現場の違いを理解してない人が多いね。

 

稽古は、開始から幕が下りるまで期限が決まってるから、その中である結果を出さないといけないけど、訓練は表現者である以上ずっと続く。ワークショップやスクールに通ってばかりもいられないから、日常の中で表現を探る癖を身につける事。これがどうやら一番必要らしい。

 

と、受講生の状態を観て、教わった。