楷書

ある方の楷書の書道作品を拝見した。スッキリとした清々しい作品でした。

 

書道の世界では、楷書に始まり楷書に終わると言われるほど、楷書は大切で難しい世界です。書道を習っていた頃、僕は直ぐに行書に逃げて叱られました。行書や草書の方が芸術性が高いように見えて、書いていてカッコ良い気がしたんだよね。でも、全然ダメで、先生の批評は「楷書が出来てないからね」でした。

 

当時は、分からなかった。楷書は、一字一字に気を込めて、尚且つ全体のバランスを考えて書き上げるのに時間が掛かる。その、掛かる時間が大切だったんだね。あの時間の中に、沢山の真実があったのに。

 

芝居や人生も同じだね。流行りや世間体に気を取られると、芯になる本質を忘れてしまう。慌てない、焦らない。ちゃんと払って、ちゃんと留めて。

 

ちゃんと人生の楷書をやろう。